豆知識

地域密着型サービス・住所地特例って?

 グループホームや小規模多機能サービスは基本的に「地域密着型サービス」です。中には「地域密着型通所介護(デイサービス)」や「地域密型特別養護老人ホーム」等があります。また、特別養護老人ホームや老人保健施設等では「住所地答礼施設」と言われることもあります。なので、ざっくり説明させて頂きます。

 まずは「地域密着型サービス」ですが、もちろん「地域密着型サービス」以外のサービスが、地域に密着していないというわけではありません。(していないところもあるかもしれませんが・・・)「地域密着型サービス」を簡単に言うと「サービスを利用する人の住民票がある市の人しか使えないサービス」です。

 目的としては、要支援や要介護状態になった高齢者が、馴染んでいる地域で同じ地域同士の人達とサービスを受けることにで、その人の生活の質を上げることを目的としているような感じです。簡単に言うと、言い方は悪いですが、「利用者によそ者がいなくて安心できる!」という事がメリットですね(;^_^A

 また、「地域密着型サービス」は規模が小さいのが特徴ですので(例えば特養であれば29床以下)、職員がお客様に目の届きやすい、人員配置が厚い仕組みに基本的になっているのもメリットです。

 ただ何故、「地域密着型サービス」が必要になったのかというと、サービス面というよりは介護保険料金的なところだと私個人は考えています。例えばA市にずっと在住していた人がいたら、その人は40歳以上からA市に介護保険料を納めます。しかし、介護保険サービスが必要になった時に、B市のグループホームに入居したら、その人のグループホームの料金の7割~9割、B市が負担することになります。(介護保険料の自己負担は1割~3割ですので)。

 そうなると、B市はその人から介護保険料を徴収していないのに、介護保険料は給付しないといけなくなるので、損をするというわけです。これを防ぐために、手っ取り早いのが「地域密着型サービス」という事に行きついたんじゃないかな~と、私は思っています。

 ちなみに、「地域密着型サービス」以外にも、上記の様に、市が介護保険料の損得がないような制度として、「住所地特例施設」があります。「住所地特例施設」は、全国どこの人でも受け入れ可能な施設ですが、例えばA市の人がB市の施設を使った時に、住所はB市に移せても、介護保険の保険者はA市のままで、介護保険料の負担はA市がするという仕組みになります。

 市によってですが、私の住んでいる市はお客様が住所を大体移し、保険者まで私の住んでいる市が請け負うことが多いです。住所地特例とは本来は、住所は新しく住む市が引き継ぎ、介護保険の保険者は前の住所の市になります。その人の介護保険料は前の市が負担するシステムです。しかし、市役所があまり事情等を把握できないため、保健者まで引き継いでしまう市も多く保険料を損してしまうことがよくあります。

 なので、介護保険の保険者である市が絶対に損をしない介護保険サービスは「地域密着型サービス」と言ってもいいんじゃないかなぁ~と思います。

 ただ、現在の高齢者は、同じ市の人というより同じ集落の人をある意味「仲間」とみなす人が多いです。現に、同じ市でも集落が違えば「よそ者扱い」されることもあります。また、集落意識を気にしない人もいます。ただ、そういう方はその人の住んでいた市や県も気にしないです。

 なので私個人は「地域密着型サービスって必要?」と疑問を抱いている立場です。

 介護保険サービスは、「市」によって事情が変わってしまうサービスでもあるので、疑問には思いますが「必要かも?」とも思っています。ただ、「地域密着型サービス」は経営がしづらいのも事実です。何故なら、老人が少なくなる市程、集客ができなくなる仕組みだからです。なので今後どう変わっていくかは分かりません。

 ただ、「地域密着型サービス・住所地特例ってそういうことだったんだ!」と思って頂ける人がいたら幸いですさね(^_^;)

A市

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