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小規模多機能サービスって何?

様々な介護保険サービス

 介護保険サ-ビスを調べていると、「小規模多機能ホーム○○」とか、「小規模多機能サービス○○」という事業所紹介を見ることがある人もいると思います。

 「小規模多機能サービス!」・・・分かりづらいですね(-_-;)しかも、説明しづらいサービスなんです。ただ、わかると人によっては使い勝手のいい介護サービスでもあります。

 ですので、今回はざっくり簡単に、「小規模多機能サービス」の説明をします。

 小規模多機能サービスの機能とは?

 小規模多機能サービスとはデイサービスみたいな「通い」、ショートステイみたいな「泊り」、訪問ヘルパーみたいな「訪問」の3つのサービスを、1つの事業所が一体的に提供できるサービスの仕組みになっています。小規模多機能サービスを提供する事業所には必ずケアマネージャーがいて、その事業所を利用する場合は、その小規模多機能サービスのケアマネージャーが担当になります。

 基本的に在宅を中心に生活されている方で、介護保険サービスを利用している方は、通所サービス(デイサービス等)や訪問サービス(介護ヘルパー等)を担当のケアマネージャーが、それぞれの事業所と調整をして利用できるように段取ります。

 例えば、A事業所のデイサービスとB事業所のショートステイ、C事業所の訪問ヘルパーを利用したいと思った場合、ケアマネージャーが段取りをし、ご本人、ご家族、A、B、Cの3つの事業所の職員、ケアマネージャーとで、ご本人のご自宅でサービス担当者会議という会議をして、ご本人、ご家族はA、B、Cの3つの事業所とそれぞれ契約をしなければいけません。

 しかし、小規模多機能サービスを利用すれば、その事業所のケアマネージャーとサービス担当者会議をして1事業所と契約するだけで、「通い、泊り、訪問」のサービスが利用できるようになるというわけです。小規模機能サービスでは、デイサービスと言わず「通い」、ショートステイと言わず「泊り」という表現をしましすが、そうなっているだけであまり気にしないで下さい。

 メリットは?

 細かいメリットをあげると、長くなってしまいますので、大まかに2つのメリットをご紹介します。

 まず1つ目は、1つの事業所で3つのサービスができるため、それぞれの事業所と契約をしたり、それぞれの事業所から利用中の様子の状況等聞いたり、また利用の変更やキャンセル等を、1つの事業所とだけやり取りすればいいという、手間が省けるところです。また、小規模多機能サービス専用のケアマネージャーとやり取りをしますので、利用中の様子などは居宅のケアマネに聞くより細かく分かります。

 例えば、居宅のケアマネージャーが担当して、Aという事業所のデイサービスを利用している場合、そのケアマネージャーはそのデイサービスの職員ではないので、デイサービスの様子を直接見ることはあまりなく、職員からの聞き取りをしてご家族に伝えます。

 しかし、小規模多機能サービスのケアマネージャーは、その事業所の職員ですので場合によっては直接介護をしたり、様子も直接見ています。なので、サービス利用の様子がリアルに分かるので、ご家族にも細かく分かりやすく伝えやすいです。もちろん、ケアマネージャーの能力にもよりますが・・・

 2つ目は、「単位数」を気にしなくていいというところです。私個人は、これが1番大きいメリットだと思っています。ただ「分かりづらい!」ですよね・・・

 介護保険では要介護1という認定を受けると、月に約16000単位(細かい数字は省いて分かりやすくしていますので、実際の単位数とは異なります)という単位が支給されます。この単位数の中でサービスを調整します。そして、この単位数を超えてサービスを利用してしまうと1割負担で済んだ料金が丸々10割負担しないといけなくなります。

 どういうことかというと、デイサービスを1日利用するのに、700単位という単位を使うとします(細かい数字は省いて分かりやすくしていますので、実際の単位数とは異なります)。そうすると、1日利用すると16000-700=15300となり、残り使えるのは15300単位となります。

 そして、さらにショートステイを使うのに1日1000単位使うとします(こちらも細かい数字は省いて分かりやすくしていますので、実際の単位数とは異なります)。ショートステイは泊まるサービスですので、最短でも1泊2日利用となり、2日分利用しますので2000単位使います。そうすると15300-2000=13300となり、残り使えるのは13300単位となります。

 なので、1月16000単位という中での範囲でしか、サービスを利用できません。そして、1単位=1円~3円(1割~3割)の料金を負担します。もし16000単位以上超えてしまうと、デイサービスであれば、700単位分の10割の料金を負担しないといけないので、700単位=700円から2400円(1割~3割)の料金ではなく、7000円負担しないといけなくなります。

 しかし、小規模多機能サービスは要介護1の場合、1月に10000単位(細かい数字は省いて分かりやすくしていますので、実際の単位数とは異なります)を払い、利用回数は事業所次第でもありますが、事業所によっては毎日、デイサービスのような「通い」のサービスを利用できたり、施設サービスの様に1月丸々ショートステイのように「泊り」のサービスを利用できます。

 ですので、個々の小規模多機能サービスによるのですが、事業所によってはある意味サービスを「使い放題」という事が可能になります。その代わり、あまり使わなくても1月に10000単位は変わりません。ちなみに、この支払方法を「包括払い(マルメ)」といいます。

 デメリットは?

 こちらも主にある2つのデメリットをご紹介します。

 まず1つ目は、あまりサービスを使わない人はもったいないという事です。先ほど「包括払い(マルメ)」のッ説明を簡単にしましたが、1日しかサービスを使わない人も毎日サービスを使う人も、介護保険料の1月10000単位(10000万円~30000円(1割負担~3割負担))の支払い負担は変わりません。

 ですので、あまりサービスが必要ない方には、もったいないという事になります。

 2つ目は、他のデイサービスやデイケア、ショートステイ等のサービスと併用できない。という事です。私個人的には、これが1番のデメリットだと思います。

 例えば、「気分を変えて違うところのデイサービスやデイケアに通ってみたい!」、「たまには違うところのショートステイに泊まってみたい!」と思っても、小規模多機能サービスを利用している限り、他のところは使えません。

 例外としては、福祉用具のレンタルや訪問リハビリ等は使えます。しかし、利用したい場所を変えるのが難しいという点は、デメリットとしては大きい要点です。

最後に

小規模多機能サービス イメージ

  介護保険にも法律があります。それを介護保険法と言いますが、その第一条(目的)は、ざっくり簡単に言うと、「介護保険サービスにより、高齢者になっても自分の能力において可能な限り自立した日常生活を行うことができるように支援する。」です。

 言い換えれば、「介護が必要になった高齢者の方々に、色々な介護保険サービスを利用して頂くことで、少しでも長く可能な限り、その人なりの自立できる生活を支える制度」と言っても過言ではありません。

 その中でも、小規模多機能サービスに適した人が利用すると、すごく使いやすく、便利なサービスです。小規模多機能サービスに限らずですが、必要な際は色々なサービスを利用しましょう。

 ただ、介護保険サービスはややこしいし分かりづらい・・・

 介護保険サービスは、名前から仕組みまで分かりづらいものが多いです。ですので、地域包括支援センターや各事業所に「相談員」等の説明役がいます。お気軽に、ご相談してみることをお勧めします。

 

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