ここ何年か前から、「科学的介護」という言葉を聞くようになりました。現在。国は科学的な介護が日本で定着するように取り組んでいます。科学的というと、ロボットやICTなんかのテクノロジーを考える人もいると思います。
確かに、国は介護ロボットやICT等のテクノロジーを介護業界で活かすことを推奨しており、これもまた科学的介護といえばそうかもしれません。しかしそれは、どちらかというと「科学的な介護をお客様に提供するため」というよりは、「介護職員の負担軽減や人員緩和」の為に推奨されています。
ただ、私個人の意見ですが現在のテクノロジーでは、介護職員の負担軽減は出来るものもありますが、人員の削減は出来ないと考えています。
介護職員の人員を削減するためには「人型ロボット」が必要です。それも「鉄腕アトム」や「ドラえもん(四次元ポケットはなし)」なんかのAI抜群で人間と同じ動きができるロボットです。
チャットGPTに「人型ロボットは何年後出来ますか?」と質問したら、「数十年後~数百年後」という回答を頂きました( ̄▽ ̄;)。まあ・・・厳しいと言う訳ですね。
と話はそれましたが、国が求める科学的介護の「科学的」とは「エビデンス」すなわち「根拠」がある介護ということです。では、そのエビデンス(根拠)とは何なのか?というと、令和3年度の介護報酬で新しくできた「LIFE」を考えていくと分かります。
ただ、これは私個人の解釈ですので、そこは悪しからずです(;^_^A
この「LIFE」は、「科学的介護推進体制加算」、「自立支援促進加算」、「栄養強化マネジメント加算」、「口腔衛生管理加算Ⅱ」、「排泄支援加算」・・・ETC、様々な分野の情報を、「厚生労働省」に提供することで、加算が算定できます。
「LIFE」・・・もちろん生命ではありません。LIFEは「Long-term Care Information system For Evidence」の略です。「Long-term:長い期間」、「Care Information system:介護情報システム」、「For Evidenc:エビデンス(根拠)の為の」と言う様な略になります。
国はこのLIFEを「科学的介護」と訳していますが、直訳すると「エビデンス(根拠)を作る為の長い期間の介護情報システム」みたいなことになります。まあ、全国の介護情報を集めて介護のビッグデータを作り、そのビッグデーターを「エビデンス(根拠)」にしようと言う訳です。
科学的介護の科学的はエビデンス(根拠)であり、国がビッグデータをエビデンス(根拠)するということは、このエビデンス(根拠)を言い換えると、「統計学」ということになります。
統計学をエビデンス(根拠)とし、統計学に基づいた介護を科学的介護と称しているわけです。
統計学は非常に重要な指標になりますし、社会学、生物学、医学等でも重要な役割を果たしてきました。統計学は数学が他の学問に対して非常に影響を与えた理論と言っても過言ではありません。
ただ、落とし穴もあると思います。「統計学=個人に当てはまる」わけではないからです。10人中8人に当てはまれば80%ですので、それがエビデンス(根拠)となります。ですが、2人の人には当てはまりません。
必ず当てはまらない人がいるわけです。世の中100%はあまりありませんので(・_・;)。
介護に限らずですが、対人関係の仕事は個々の人を見て判断しないといけません。言い換えれば個別化対応です。統計学を信じすぎると個別化対応できなくなるかもしれないと私個人は危惧しています。
もちろん統計学が悪いとは思いませんし、指標としては知っておくべきことだとも思います。ただ、統計学は全体からの把握ですので、それも大事ですが個人からの把握も大事だと思います。
国の目指す科学的介護とは、統計学をエビデンス(根拠)とした介護ですが、それが必ずしも正しいとは限らないので、そこを考えて、個別化も頭に入れていた方が、善い介護ができると何となくかもしれないですが、思います(;一_一)