医療・介護業界の世界で、お客様(ご利用者)に対して敬語を使えない人が多いのは事実だと思います。もちろん、敬語を使っている素晴らしい病院や施設もあると思います。でも、常にお客様(ご利用者)に敬語を使う看護師や介護職員は中々いないと思います。
よく、「忙しいから敬語なんて使えない!」「何度も同じことを繰り返す認知症の人を相手にしていると無理!」「耳が遠くて敬語だと意志疎通が難しい!」等の言い訳をする方は大勢いらっしゃいます。分からなくもないですが、多分私はそうではないと思います。だって、どんだけ忙しくても自分の上司には敬語使いますもん!
私は「飲食業界」で働いていたことがあります。どんなにメチャクチャ忙しくても敬語です。まあ・・・当たり前のことですね(^_^;)。だって忙しいからと言って「ちょっと待って!」なんて言おうものならメチャクチャクレームになります。酔っ払いだって同じことを繰り返しますし、訳ワカメなことも言います。
では、なんで医療・介護業界ではお客様(ご利用者)に対しての敬語が出来ないか?というと、私個人は、医療・介護業界の積み重なってきた文化だと思います。簡単に言えば「措置制度の延長」というところです・・・逆に分かりづらいですね(~_~;)
私が生まれる前の小説で、介護のことを取り上げた「恍惚の人」という作品があります。そこでは「特養とは、ボケ老人や寝たきり老人を収容する施設です」と市の職員が特養について説明する場面があります。もろ「高齢者の面倒を見てあげてます!!」という事や、認知症や寝たきりの高齢者は社会的から疎外されていることがよく分かります。だって「収容」っていう言葉を遣うくらいだからです。
ただ、当時はそれが普通の認識というだけです。そして、介護保険は措置から契約になったのは2000年・・・その当時もまだまだ「お世話をしている!!」という認識が介護職員にも多かったです。
そういう、「お世話をしてあげている」という文化がまだ残っているため、お客様に対して敬語が使えない人が多いのだと思います。だって、その文化で育ってきた人が先輩でそういう模範を示しているわけですから、中々抜け出せないというわけです。
勿論、介護だけでなく看護に関しても同じようなところがあると思います。というより、看護に関してはさらに根深いと思います。
しかし、数年前からは医療・介護も付加価値のサービスがモノをいう時代、言い換えれば選ばれる時代になってきました。市場原理での競争が激しくなってきたからです。私個人は仕事はきつくなりますが、競争相手がいた方がサービス力向上の作用を生むので、大歓迎です。
今後は医療・介護の専門力のサービスに加えて一般的なサービス力がないと、施設運営も難しくなってきたという事です。「いいですねぇ~!」なんてなんて、なんかそんなことを考えている今日この頃でした(/・ω・)/