相談員

超高齢者に治療はどこまで必要?

90歳程以上の高齢者に、どこまで必要か・・・相談員として悩みます。もちろんご家族が望むのであれば、治療優先になりますが、ご本人のためになっているかどうかは、また別の話です。

「ただ、生きていて欲しい」・・・その気持ちは痛いほどわかります。私は胃瘻に消極的な考え方でしたが、自分の祖母が胃瘻をするかどうかの時には、「胃瘻をしてでも生きていて欲しい」と思いました。

しかし、祖母が生きることに苦しんでいたら話は別です。毎日苦しそうにしているのであれば、私も早めの死を望んだかもしれません。例えば、癌の治療などで疼痛に悩まされているのであれば、私は多分「安楽死(今では尊厳死と言います)」を望むと思います。

 ただ、そうでなく生きていれば苦もあれば楽あるのは寝たきりの高齢者でも一緒です。その程度の苦楽であれば、生きていて欲しかった・・・ 

 そういうことも踏まえたうえで、超高齢者にどこまで治療を求めるのか・・・、私自身は、炎症を多少抑える抗生剤や、栄養や水分を補給する輸液ぐらいでいいともいます。その本人になったことはないのですが、超高齢になると、車で移動するだけでもきつそうです。実際きついと思います。

 以前、96歳のおばあちゃんに脳腫瘍が見つかりました。正確には以前も分かっていたけど家族が把握していなかくて、定期健診で再度分かった感じです。その息子さんは手術を希望し、施設を退居して県立病院や日赤、徳洲会等の大手病院をあたった結果、ことごとくその病院んの医師から手術を断られたそうです。

 その息子さんを非難するわけじゃありません。その息子さんは、すごく介護にも献身的で、母親想いでした。ただ、治ることのない治療のために、お母さんが苦しんだのも事実です。

 医療・介護の世界では、最終的に医師に判断をゆだねられる場合が多いです。言い換えれば、医師ではない社会福祉士の私は最終的な医療にはあまり口が出せないです。ただ、自分にもっと根拠のある話が出来て、積極力があれば、命は救えないですが、最後の生活を少しでもより良いものにできたはず・・・とは反省します。

 今のところ、私は超高齢者に対して、抗生剤の点滴や栄養補給の輸液以上の必要はないと思っています。「良薬口に苦し」という言葉がありますが、それは苦い思いをしても治ることが前提です。高齢者の治療は簡単な風邪などの症状以外は治らないリスクの方が高い。これは明らかです。

 であれば、天寿を全うする歳なので、無理に治療しない方がいいんじゃないか?と私自身は考えています。

点滴を受ける高齢者の治療

-相談員